お客さまの声なき声に耳を傾けよう ~ヒートマップツール「Ptengine」の導入によって見えてきたこと~
こんにちは。 弥生のウシオです。
今回は、弊社Webサービスにヒートマップツールを導入したことによって、見えてきたことやノウハウなどをご紹介したいと思います。
ヒートマップツールとは
ヒートマップツールとは、サイト内でのユーザー行動を可視化するためのツールです。
これによって、Webサイトのどこがよくクリックされているのか、どこまでスクロールされて読まれているのか等を、視覚的に知ることができます。
例えば、クリック情報を視覚化すると以下のようになります。
(赤い個所がよくクリックされている場所)
ヒートマップツールを導入したきっかけ
弊社はインハウスでコールセンターを運営しているため、お客さまのご意見ご要望を収集しやすい環境にあります。
ただ、お客さまの仰ることをそのまま実現していたのでは、魅力的なサービスを作ることはできません。
お客さまの声に耳を傾け、その先にある本当のニーズを分析する必要があります。
そのために、弊社ではGoogle Analyticsを導入するなど、お客さまの行動分析を行う取り組みを実施しておりました。
Google Analyticsは大変便利なツールで、問題を抱えているページの特定などに大いに役立ちますが、該当ページのどこに問題があるのかを知ることはできません。
はてさて困った…
そこでヒートマップツールの登場となった訳です。(パチパチパチ)
ヒートマップツールで可視化したかったこと
とはいえ、いきなりすべてのサービスに導入するのは難しいため、ちょうど同じタイミングでリニューアルを予定していたYAYOI SMART CONNECTという弊社のサービスに導入して、効果を測定することにいたしました。
YAYOI SMART CONNECTは、
- 銀行明細やクレジットカードなどの「取引データ」の取込み
- 「取引データ」から「会計データ」への自動仕訳
- 弥生のデスクトップ製品やオンラインサービスへの「会計データ」の登録
をシームレスに行うためのサービスです。
今回のヒートマップ導入では、
- 取引データの絞込みを行う際の切り口
- 取引データの登録を行う際のプロセス
などといった観点で、サービス設計時に考えていた利用方法と、実際のお客さまの利用方法にギャップがないかを検証することを目的の1つといたしました。
また、解像度が1366x768であるお客さまが最も多いことがGoogle Analyticsによって判明していたので、サイドメニューの折りたたみや横スクロールの実際の活用状況についても注目しておりました。
ヒートマップツールによって問題は発見できたのか
では、実際にYAYOI SMART CONNECTをヒートマップで可視化した結果を見て頂きましょう。
※ 表示されているデータは、テストデータです。
ヘッダー
- [やよいの青色申告オンライン]というサービス名がクリックされている(オンラインの画面に遷移しようとしている?)
- パスワード変更インフォメーションバーの閉じるアイコンがクリックされている(当画面からパスワードを変更する人は極少数である)
サイドメニュー
- [スマートメニュー]がクリックされている(サイドメニューを折りたたもうとしている?)
- サイドメニューの折りたたみを頻繁に行っている
- 設定メニュー以外は比較的まんべんなくクリックされている
- 設定メニューは一部を除き、ほとんどクリックされていない
コンテンツ
- 絞り込みボタンの活用率は少し低めである
- 取込み元の種別(タブ)を切り口として、取引データの絞り込みを行っているケースが多い
- 摘要欄がしばしばクリックされている(コピペしようとしている?それとも編集しようとしている?)
- [取引の登録]列では「する」をクリックされることが圧倒的に多い
- 横スクロールを頻繁に行っている
ヒートマップツール導入以前からある程度想定していたもの、全く想定していなかったものなど、様々な気付きがありました。
主観的な思いこみではなく、このような客観的なデータから仮説を立て
改善し、再度取得したデータから仮説の妥当性を検証、そして更なる改善を重ねていく。
こういった改善サイクルを短いスパンでまわしていくことによって
お客さまにとって本当に使い勝手のよいサービスを今後も提供していきたいと考えております。
ここまでご紹介してきたのは、ヒートマップツールとしては王道的な使い方でしたが
実は弥生では、ヒートマップツールベンダーでも想定していなかったような、面白い使い方もしております。
近々ブログでご紹介させて頂きますので、お楽しみに!!